電解次亜水
1.電解次亜水生成原理
陽極では、水(H2O)から酸素(O2)と水素イオン(H+)、また塩素イオン(Cl-)から塩素(Cl2)となり
塩素は水と反応して次亜塩素酸(HClO)・塩酸(HCl)となりその結果、酸性化し溶存酸素(DO)と
酸化還元電位(ORP)が上昇する。
陰極では水(H2O)から水素(H2)・水酸イオン(OH-)が生成し水素は溶存酸素と反応しその結果DO
とORPが低下する。
電極の触媒能を反映して陽極と陰極の電解生成物のバランスがH+よりOH-の方に傾く為、
弱アルカリ性となる。
この電解水は次亜塩素酸ナトリウムの稀釈液と同等で電解次亜水と呼んでいる。
2.塩酸でPH調整
塩酸水を被電解液とし電解水のPH5~6.5になるように工夫しているのが微酸性電解水である。
次亜塩素酸はPHによって状態が変化することが知られており強酸性電解水・微酸性電解水及
び次亜塩素酸ナトリウム稀釈液(=電解次亜水)に分類される。
PHが酸性水領域では次亜塩素酸イオン(ClO-)と次亜塩素酸(HClO)が約2:8、電解次亜水領域
(PH8~9)ではHClOとClO-が約1:9の比となりさらに高いPHではClO-になり殺菌力としては
HClOが強くClO-は弱い。従って酸性側にPHを調整することによりHClOの存在比が高くなり
殺菌力・酸化力は増加する。
※新フロー図では塩酸を電解装置に注入しHClOの存在比を高めています。
3.次亜塩素酸ナトリウムを電解
水(H2O)は弱くH+(水素イオン)+OH-(水酸イオン)に電離している
電極での作用として
・陽極ではOH-→O2+2e
・陰極では2H++2e→H2
この時陽極ではOH-(ラジカル)の反応が生じる
次亜塩素酸ナトリウム(Naclo)を電解すれば
2ClO→ClO2+2e又は3ClO3→ClO3+3eの様な生成物を生ずる
ClO2、ClO3はClO-よりも強い酸化力を持っている
よってNacloを電解する事で強力な酸化性物質に変換できる
陽極の水は酸性を示し相手を酸化する力を持った水になります。
陰極では水にe-(電子)が作用してOH-(ヒドロキシイオン)が増えます。
さらに相手を還元する力をもった還元性のイオンが多く発生しています。
カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム等のミネラルの一部はイオン化して
陰極に引き寄せられスケールとして付着します。
陰極の水はアルカリ性を示し相手を還元する力を持った水になります。
4.電解次亜水の反応
すべての物質は分子で構成されその分子は原子により構成されている。
その原子の周りを二つの電子がになって回っており原子が二つそろっていれば安定している。
何らかの理由で一つだけになった原子は不安定になり他の物質から電子を奪おうと反応する
分子になる。対になっていない電子(不対電子)を持つ物質をラジカルと言います。
この為、物質に対して反応し燃やしたり・腐らせたり・錆付かせたりし分子は不対電子を
持ち電子を求めて反応する。
上記の原理に伴い井水原水槽内で有機物等の発色団結合を開裂する。
5.発色団
有機化合物が色をもつのに必要であると考えられた原子団
ベンゼン環などはいずれも二重結合をもつが、これらが孤立した場合は発色せず
共役しはじめて発色する。
二重結合
>C=C<、>C=O、‐N=N‐、-N=O
二重結合開裂
>C=C<、>C=O、‐N=N‐、-N=O
※開裂(解離)・・・共有結合が切断されること
※ベンゼン環・・・芳香族に含まれる化合物の一つ